第37回学術集会を、2027年8月28日(土)・29日(日)の2日間、富山県において開催させていただくこととなりました。歴史ある本学会の学術集会が、北陸地方で開催されるのは初めてであり、このような機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
本学術集会のテーマは、「すべての人の尊厳を守る看護学教育」です。
今日、私達の社会は、貧困や紛争、地震や気象変動に起因する災害、さらには国際的脅威となる感染症など、かつてないほど多様で複雑な課題に直面しています。このような時代において、人々の生命と健康はもとより、一人ひとりの生活における尊厳と権利を守ることは、専門的なケアを担う看護職にとって、これまで以上に重要性を増しています。
加えて、日本社会は総人口の減少と高齢化の進行という大きな転換点を迎えています。難聴や認知症を伴う高齢者の増加は、ケアの現場におけるコミュニケーションの在り方に新たな課題を投げかけています。こうした社会的背景のもと、人としての尊厳をどのように守り、本人の意思をどのように受け止め、支えていくのか――。看護職は日々その問いと向き合いながら実践を重ねています。しかし、個々の努力だけに委ねるのではなく、体系的な教育と継続的な支援が極めて重要です。
今、看護に求められているのは、人々の生命と尊厳を支え、すべての人の自由と可能性の実現に寄与する力です。そのためには、看護学教員、現任教育担当者、看護職を志す学生、そしてすでに資格を有する看護職一人ひとりが、自らの権利と尊厳を大切にしながら、同時に他者の人権を尊重する意識・意欲・態度を育んでいくことが不可欠です。すなわち、困難に立ち向かう「勇気」、社会に働きかける「貢献」、そして変化にしなやかに対応する「適応能力」が、これからの看護を支える重要な資質となります。
本学術集会では、自主性・自律性を尊重した教育を基盤として、多様な個性を尊重する人権意識や倫理観をどのように育むのか、看護学教育が果たすべき役割と今後の研究の方向性について、参加者の皆さまと共に考え、学び、語り合いたいと考えています。
会場は富山駅より徒歩3分の場所にあり、現地開催とオンデマンド配信を併用したハイブリッド形式で実施いたします。看護学教育を通して、一人ひとりの尊厳が守られ、多様な人々が安心して暮らせる社会の実現に貢献できることを願い、本学術集会が実り多い対話と学びの場となることを期待しております。多くの皆様のご参加を、心よりお待ちしております。