このたび、第74回日本病跡学会総会を、2027年7月3日・4日の両日、大阪府高槻市にて開催させていただくこととなりました。大会長を務めますことを、大変光栄に存じます。
今回の大会テーマは「生成する偉人たち」といたしました。
病跡学はこれまで、歴史に名を残す人々の生と作品を、病や苦悩との関係の中で読み解こうとしてきました。しかしその営みは、単に「偉人」を理解することにとどまるものではなく、人がいかにして自己をかたちづくり、変化し続けていくのかという、より普遍的な問いへと開かれているように思われます。
「生成」という言葉には、固定された人物像をなぞるのではなく、絶えず揺れ動き、形を変えながら立ち現れてくる人間の姿を見つめたいという思いを込めました。いわゆる「偉人」と呼ばれる人々もまた、完成された存在ではなく、むしろ多くの葛藤や試行錯誤の中で生成し続けていた存在として捉え直すことができるのではないでしょうか。
本大会では、専門家のあいだでの議論を深めることはもとより、できるだけ広く一般の方々にも関心を持っていただけるような場にしたいと考えております。病跡学が扱うテーマは、決して特定の領域に閉じられたものではなく、人の生や表現に関心を寄せるすべての方にとって、どこかで響きうるものを含んでいるはずです。
高槻の地において、多様な視点が出会い、それぞれの「生成」のあり方について静かに、しかし豊かに考える時間が生まれることを願っております。
皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。