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この度、第41回の日本肺および心肺移植研究会を2025年1月25日(土)に大阪で開催させていただくことになりました。伝統のある本研究会の会長を務める機会を与えていただきましたことを大変光栄に存じます。新型コロナウイルス感染蔓延前の2020年1月に南正人先生が第36回を担当され、大阪で現地開催されましたが、今回5年ぶりに皆様をお迎えできるということで医局員一同大変楽しみにしております。
本邦の肺移植は、1998年に岡山大学における生体肺移植に始まり、2000年には東北大学と大阪大学でわが国最初の脳死臓器提供による肺移植が行われました。2006年に肺移植は保険適応となり、さらに2010年改正臓器移植法施行後、脳死肺移植症例も着実に増加しています。しかし、日本臓器移植ネットワークに肺移植希望者として登録してから肺移植実施までの待機期間は平均900日を超えており、移植希望患者数に比して提供臓器の不足は解消されていないのが現状であり、終末期呼吸器疾患を有する患者の治療として十分機能しているとは言えません。一方で、肺移植数の増加に伴い、ICUや手術室など施設側の体制により臓器の受け入れを断念するケースがあることも報告されています。今後、肺移植を持続可能に実施していくためには、移植適応評価の簡便化や移植コーディネーターの充実、移植医の負担軽減など、新たな移植医療システムの構築が必要です。皆様とともに、これらの課題について議論し、未来の展望を語り合いたいと考えております。
今年度の研究会は、従来通り、朝から夕方まで1日集中して現地の一会場のみで開催し、多くの皆様に大阪にお集まりいただけることを願っております。本研究会は、呼吸器外科医、呼吸器内科医、移植コーディネーター、理学療法士、管理栄養士など、肺移植に携わる多くの職種の方々が一同に会し、肺移植医療を様々な角度から検討する重要な場です。ぜひ、皆様の活発な議論を期待しております。
本研究会の開催場所は、前回の大阪開催と同じく大阪大学中之島センターといたしました。中之島センターは、2004年4月に大阪大学発祥の地である「中之島」に開設されましたが、2023年4月、大阪大学創立90周年・大阪外国語大学創立100周年記念事業として機能強化を目的に改修工事を行いリニューアルオープンしましたので内装はかなり刷新されました。また、研究会終了後は中之島センター9Fにあるサロン・アゴラでの懇親会を予定しております。有意義で参加して良かったと思える会にするべく精一杯準備させていただきますので、皆様奮ってご参加ください。