当番会長挨拶

謹啓 この度、第52回日本膵切研究会の当番会長を仰せつかり、2025年8月22日(金)〜23日(土)に富山市にて研究会を開催させて頂くこととなりました。今日まで我が国の膵臓外科において多くの重要な役割を果たしてきた本研究会を担当させていただくことは、富山大学消化器・腫瘍・総合外科教室にとって大変光栄なことでございます。富山大学では私の前任教授である塚田一博先生が2003年に第30回の本研究会を担当させていただきましたので、22年ぶりのこととなります。このような機会をお与え頂いたこと、これまで本研究会を支えてこられた本会の役員・会員の皆様に心から感謝申し上げます。  


 この数十年間の医療の進歩は目覚ましく、膵臓外科においても多くの改良、進歩がみられてきました。内視鏡下手術やロボット支援下手術の普及は最も顕著な例ですが、その他にも様々な臨床試験の結果によって、リンパ節郭清、ドレーン管理、周術期管理などにも多くの変化がもたらされました。これら少しずつの積み上げにより、わが国の膵切除の安全性は確実に高まってきたものと思われます。しかし一方では、高齢化社会の進展や、化学療法の進歩に伴い変化し続ける集学的治療の中において、新たな膵切除の意味づけが求められるようにもなっています。さらには未だに最も合併症が懸念される術式の一つであることは間違いないかとも思います。進化し続ける医療、医学の中で、患者さんにとってより良い安全な外科医療を提供していくために、今回の研究会でも会員が一堂に会し、積極的な質疑応答、意見交換のできるような機会を創出できればと願っております。 


 開催地の富山市は、北陸ということから涼しいイメージがあるかと思いますが、実は日本で最も湿度の高い場所です。8月末の富山は、まだまだかなり蒸し暑い時期でございますので、どうぞクールビズの軽装でお越し下さい。実り多い学会となるように教室員全員で精一杯尽力する所存でございますので、多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。 


謹白 


富山大学 学術研究部医学系 消化器・腫瘍・総合外科

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