ご挨拶

この度、第40回 和漢医薬学会学術大会を、2023年8月26日(土)、27日(日)の2日間にわたり、富山市の富山国際会議場におきまして開催する運びとなりました。
和漢医薬学会の目的は、和漢薬の資源、品質管理、作用機序、臨床研究などについて科学的視点から最新の知見を討議し、基礎と臨床の橋渡しをすることにより、人類の健康と福祉の増進に貢献する事であります。本学術大会では、和漢薬を様々な形で研究の対象とする薬学者、医学者、医師、薬剤師などが一堂に会して研究情報の交換を行うことにより、新たな治療学体系を構築し、その成果を社会に還元することを目的としています。

本邦における伝統医療は中国で発祥した医療が伝えられたことに始まり、その概念や治療方法は長い年月を経る中で淘汰されつつ継承されるとともに、発展もしてきました。COVID-19の治療において注目された柴葛解肌湯も本邦で江戸時代に創方された方剤です。一方、近年は科学的なエビデンスに基づいた医療が求められ、伝統医療においてもエビデンスが求められるようになり、基礎・臨床研究において様々な取り組みが>従いまして、本学術大会のテーマは「和漢医薬学の継承と発展」とさせて頂き、新規の方法論、さらに新規の作用機序、治療効果や臨床応用の知見について、ご参加の皆様による熱い討議を通じて、和漢医薬学研究の未来を創っていくことができればと考えております。

富山県を代表する祭である「おわら風の盆」は風害を治めて五穀豊穣を祈るものであり、毎年9月1日から3日(前夜祭は8月20日から30日まで)にかけて富山県富山市八尾地区で行われます。越中おわら節の旋律にのって踊り手たちが洗練された踊りを披露し、哀調のある音色を奏でる胡弓の調べが聴く人を魅了いたします。これも文化の継承です。是非、本学術大会と合わせまして、学術と文化をご堪能いただけましたらと思っております。ただ、「おわら風の盆」が行なわれる3日間は、八尾はもちろんのこと、富山駅周辺もたいへんな賑わいをみせますので、宿泊等の手配はお早目にお願いいたします。

多くの皆様にお目にかかれますことを大変楽しみにいたしております。


第40回 和漢医薬学会学術大会 大会長 柴原直利
富山大学 和漢医薬学総合研究所 教授


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