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テーマ | 日本のデータベースの未来を語る |
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日時・会場 | 9月9日(土)10:10 – 11:40 第2・第3会場 |
司会 | 鈴木 穣(東京大学) 松岡 豊(日本医療研究開発機構(AMED)) |
パネリスト | ◆ 東北大学メディカル・メガバンク機構(ToMMo) ◆ 日本DNAデータバンク ◆ バイオバンク横断検索システム ◆ AMEDデータ活用プラットフォーム |
現在、世界を見渡すと実に多数のデータベースが存在しており、日本にも様々なデータベースがある。これらのデータベースから取捨選択し活用することは、限られたリソースの有効活用の点からも非常に有効である。実際、研究を促進する上で、公共のデータが役に立った、という経験を持つ方も多いと思う。しかし現在、さらに多様化・複雑化が進み、特にヒト関連データについてデータベースの十分な利活用はいくつかの課題を抱えている。これら潜在的に強力なリソースを、研究あるいは実用化へよりよく活用するために、本セッションでは我が国のあるべきデータベースの未来について語りたい。現在、世界を見渡すと実に多数のデータベースが存在しており、日本にも様々なデータベースがある。これらのデータベースから取捨選択し活用することは、限られたリソースの有効活用の点からも非常に有効である。実際、研究を促進する上で、公共のデータが役に立った、という経験を持つ方も多いと思う。しかし現在、さらに多様化・複雑化が進み、特にヒト関連データについてデータベースの十分な利活用はいくつかの課題を抱えている。これら潜在的に強力なリソースを、研究あるいは実用化へよりよく活用するために、本セッションでは我が国のあるべきデータベースの未来について語りたい。
我が国のデータベースの現状と展望を語るにあたり、今回は東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)、日本DNA データバンク、バイオバンク横断検索システム、そして日本の健康・医療研究開発データの利活用推進を目指すAMED データ利活用プラットフォーム(構築中)から演者を招き、公共データベースの紹介と現状の問題点について共有する。また、各演者とともにパネルディスカッションを行い、日本のデータベースの未来像、進むべき方向についてオープンに議論したい。
テーマ | ビッグ・データとAI が医学・医療を変革する |
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日時・会場 | 9月9日(金)15:00 – 16:30 第2会場 |
司会 | 辻 真吾(東京大学先端科学技術研究センター) |
◆ ビッグデータ・AI による医学・医療の第3 次革命と未来の医学
田中 博(東京医科歯科大学 統合教育機構)
医学・医療の分野も、いまや「ビッグデータ医療時代」に突入し、今後数十年続く「第3 次革命」(第1革命:抗生物質による細菌性感染症の激減、第2 革命:分子生命科学による分子医学)を起こしつつある。従来の医学は「仮説駆動型」医科学で、得られた知識は穴だらけで全体性が欠如している。未来の医学研究は、「データ駆動型」医科学で、全体被覆性のある網羅的データから、人工知能の「教師なし学習」によって知識を自動発見する。また「精密医療の大衆化」を支える国家的な情報知能システムが出現し、一般の診療所医師が精密医療ゲノム電子カルテを使用する環境の中で、最先端の知識を提供され、意思決定を支援され医学の格差をなくすだろう。
◆ 日本人ゲノム情報解析のための SNP アレイの評価
下川 和郎(大阪大学 数理・データ科学教育研究センター)
ヒトゲノムシーケンスが明らかになるのに伴い、ヒトゲノム情報解析のためのSNP アレイが様々なプラットフォームから市販されてきた。近年では日本人に特化してゲノム解析をするための製品も市販されてきているが、Reference となるゲノムが異なるため過去に設計された SNP アレイは必ずしも最近設計された SNP アレイ製品と互換性がなく、また異なるプラットフォーム間での乖離も大きい。このため過去の解析結果を用いるなど複数のデータを組み合わせて利用する際には困難が生じてきた。今回我々はこれら多種類のプラットフォームを扱う際の問題について検証した結果を報告する。
◆ 深層学習を基盤としたオミックスデータ解析とその創薬・毒性学研究への応用
長谷武志(特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構)
近年、化合物毒性に関わる遺伝子発現データ、および、生体内分子の関係性を網羅的に記述した生体内分子ネットワークのデータ等の、大規模かつ多次元的なオミックスデータが蓄積されつつある。この様なオミックスデータから薬剤の作用機序や毒性のメカニズム等に関係のある情報を抽出するためには、強力なパターン認識能力を有する深層学習を基盤とした解析手法が必要不可欠である。
我々は、深層学習を活用して、化合物毒性に関わる大規模な遺伝子発現データベース(Percellome)において研究者が使用する遺伝子発現パターンを画像化した情報から、着目すべき発現変動を示す遺伝子群を探索する手法の開発を行ってきた。また、我々は、ゲノムワイドなタンパク質間相互作用ネットワークデータから深層学習を用いて特徴量を自動抽出し、その情報を用いて薬剤標的分子およびdrug repositioning について探索を行う手法の開発を行ってきた。本講演では、これらの手法ついて発表を行い、今後の技術的な課題について議論を行う。
◆ Graph Neural Network を使ったDrug Repurposing の可能性
辻真吾(東京大学先端科学技術研究センター社会連携研究部門 次世代エネルギーシステムの開発)
新薬の開発コストを大幅に削減できるdrug repurposing は、希少疾患の治療薬開発などを含め、大きな注目を集めている。今回、我々はgraph neural network を使った新たな方法を開発した。この方法ではまず、3 種類のノード(化合物、疾患、遺伝子)からなるグラフを作る。次にgraph attention autoencoder を使って埋め込み空間における各ノードのベクトル表現を計算し、これを使って特定の化合物に近い疾患を探すことができる。方法の概要を説明したあと、本手法の有効性を既知の事例を使って検証したので合わせて報告したい。
テーマ | 機械学習を用いた薬物特性予測とプロテオーム解析 |
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日時・会場 | 9月9日(土)13:10 – 14:00 第2会場 |
演者 | 2022年度CBI 学会 若手奨励賞 江崎剛史 (滋賀大学) |
司会 | 荻島 創一(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構) |
現在の創薬研究においては、機械学習や人工知能を始めとした計算科学手法が活用されている。取得したデータの中から、創薬のヒントに繋がる特性を推測することができれば、新しい創薬ターゲットの発見や、治療薬の絞り込みに貢献できると期待されているためである。
そのため、実験室では日々大量のデータが収集され、多くのデータが公開もされるようになってきた。しかし、膨大なデータから目的とする分析を行うためには、有効なデータを取り出すことが不可欠である。特に、機械学習を用いた予測を行うためには、質の良いデータを集めることが必要となり、この作業に非常に多くの労力が必要とされる。膨大なデータの絞り込みに難しさを持つ研究テーマがある一方で、臨床データといった大量に取得することが困難なケースもある。臨床試験や患者さんから受け取ったサンプルは非常に貴重であるため、少ないサンプルから計測された膨大な分子情報を解析し、特異的な分子を探索することが求められる。
これらの異なる性質を持つ課題に対して、演者は情報科学の手法を駆使して解析を行ってきた。前者の課題に対して、質の良いデータを集めて薬物の特性を予測するモデルを構築するため、公共データベースからデータを取得してデータセットを整備する半自動ワークフローを構築し、薬物特性の予測する機械学習モデルを構築した。また、後者の課題に向けて、臨床で得られた血液サンプルから取得したプロテオームデータから特異的な分子を推測することを目指し、決定木をベースとした機械学習手法で重症度を推定し、特異的な分子の探索を行った。当日の講演では、これらの研究成果を紹介する。
テーマ | バイオインフォマティクスと医療応用 ~医療の未来を切り開く~ |
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日時・会場 | 9月7日(木)15:30 – 17:00 第1会場 |
オーガナイザー | 今井 光穂(医薬品開発推進部門 国際研究推進室/TR支援室/遺伝子診療部) |
プレゼンテーション | ◆ 中村 能章 先生 ◆ 木下 賢吾 先生 ◆ 今井 光穂 先生 ◆ 瀬々 潤 先生 司会:山下 理宇(国立がん研究センター 先端医療開発センター) |
パネル ディスカッション ゲストパネリスト |
◆ Prof. Thomas Pretty Gosh, MD, Ph.D Tracy Arland memorial Hospital for Cancer |
近年、医療データは爆発的に増加している。電子カルテの普及に加え、遺伝子解析や画像診断技術の向上、ゲノムプロジェクトに関連した大規模な疫学調査や臨床試験、センサーやウェアラブルデバイスの普及などにより、今後も急速に増加することが予想される。今後、これらのデータは、臨床診断・治療の向上、医学研究の進展、個別化医療の推進など、様々な場面でさらに活用されていくことになる。本セッションでは、4 名の専門家が登壇し、バイオインフォマティクスが医療の進歩にどのように生かすことができるのかを、プレゼンテーションとゲストパネリストを迎えてのパネルディスカッションを通じて議論する。
テーマ | 若手の会企画:研究室マネジメントについて話し合おう! |
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日時・会場 | 9月8日(金)10:50 – 12:20 第1会場 |
オーガナイザー | 生命情報科学若手の会スタッフ:武田 淳志(早稲田大学 D1)今野 直輝(東京大学 D2) 企画協力:酒井 俊輔(東京大学D1) |
この学会の参加者のほとんどは、生命情報に関わる研究室に所属している(いたことがある)だろう。一口に生命情報分野の研究室と言っても、分野・構成員・産学連携・所属機関などは研究室ごとにさまざまである。これらの多様な研究室のそれぞれに研究環境をより良くする工夫やノウハウが蓄積されているはずだ。
そこで本ワークショップでは、1)生命情報科学若手の会が事前アンケートで収集した研究室マネジメントに関する声・問題意識を提示した上で、2)異なる分野の研究室を運営している4名の現役の研究室主宰者自らの研究室マネジメントの工夫をご紹介いただく。3)最後にフロアからの意見も集めながらパネルディスカッションを行い、研究室に所属する側と運営する側の双方の視点から、研究室マネジメントについて考える。これにより学生、ポスドク、教員を含む全ての参加者がより良い研究環境を作るためのきっかけとしたい。
◆ 企画趣旨説明とアンケート結果の提示
武田 淳志(早稲田大学 D1:生命情報科学若手の会スタッフ)
今野 直輝(東京大学 D2:生命情報科学若手の会スタッフ)
◆ 各研究室の運営方針・工夫の講演
齋藤 裕 先生(産業総合技術研究所)
清水 佳奈 先生(早稲田大学)
波江野 洋 先生(東京理科大学)
山田 拓司 先生(東京工業大学)
◆ 総合討論(フロアの皆さまからのご意見を歓迎致します!)
テーマ | 沖縄から北海道までのキャリアパス Career paths from Okinawa to Hokkaido (※一部英語 Partly in English) |
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日時・会場 | 9月7日(木)12:30-13:30 第3会場 |
オーガナイザー | 鈴木 穣(東京大学) |
本セッションでは、バイオインフォマティクス、データサイエンスを志す方、それをサポートする教育者とご一緒に、そのキャリアパスをトータルで考えます。
キャリアの入り口としては高校/高専等で行われている初等教育を、続いて学部~修士課程の教育、博士課程進学、企業/アカデミアへの就職、とそれぞれの人生設計の岐路での経験談、あるいは教育の現場での活動についてご紹介いただきます。特に、初等教育につきましては沖縄工業高等専門学校で行われているバイオインフォマティクス教育を取り上げます。学生さんは日本バイオインフォマティクス学会主催のバイオインフォマティクス認定試験の合格を1つのゴールに日々研鑽を積まれています。本日は在学生、在学中に認定試験に最年少合格をされた卒業生と、教育者・研究者として沖縄県のバイオインフォマティクス人材育成を主導される同校 教授の池松真也先生にご登壇いただきます。
◆ はじめに
◆ 沖縄県が挑戦する“バイオインフォマティクス人材育成”
池松 真也(沖縄工業高等専門学校 教授)
◆ バイオインフォマティクス学習で得たもの、バイオインフォマティクスで社会に貢献したいこと
與古田 英裕(沖縄工業高等専門学校 専攻科1年)
◆ 高専在学中の技術者認定試験資格取得とその後のキャリア
當山 天地(東北大学理学部 2年)
◆ バイオインフォマティクスと創薬
高木 舜晟(小野薬品工業株式会社)
◆ From a clinician to a full-time researcher (in English)
Runtuwene Lucky(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
◆ 野山からスパコンにたどり着くまで
尾針 由真(北海道大学 人獣共通感染症国際協同研究所)
◆ がん治療医がバイオインフォマティクスに関わるまで
藤澤 孝夫(国立がん研究センター 東病院 頭頸部内科・トランスレーショナルリサーチ支援室)
◆ パネルディスカッション