大会長挨拶


 学会テーマは第1回~第10回までの冠が「地域理学療法学の構築を目指して」で、第10回ではこの冠の下に-変貌する地域社会と理学療法士の新しい役割-のテーマを掲げました。
 「変貌する地域社会」は、2040年の多元化する社会と地域包括ケアシステムの深化といった政策、人口変動からみた社会の多様化(大都市、地方、過疎など、独居、老老世帯など、)、技術革新(ICTの活用、交通の整備、住宅の整備)、地域共生社会の時代の地域でのくらし方(世帯中心から個を中心に下くらしかた、住まいかた、地域間の健康格差)、これまでとは違うウイズコロナの時代などをイメージしています。
 どのような地域社会であっても、日々の暮らし、その人らしいくらしには「移動」が欠かせません。「理学療法士の新しい役割」については人々の移動権の保障という視座からとらえたいと思います。地域理学療法学には「個人-集団」という軸と「直接-間接」という軸を直行させた地域理学療法学の4つの実践領域があります。それぞれの実践領域に応じた「理学療法士の新しい役割」を明確にすることで、第10回を迎えた地域理学療法学会学術大会をこれまでの地域理学療法学とこれからの地域理学療法学を考える節目にしたいと思います。


第10回日本地域理学療法学会学術大会 学術大会長
浅川 康吉


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