ご挨拶

拝啓
第130回日本医学物理学会 (JSMP) 秋の学術大会の大会長を拝命しました新松戸高精度放射線治療(SMART)センターの成田雄一郎と申します。
これまで多くの諸先輩方が築き上げてきました歴史ある学会の学術大会を開催するにあたり、JSMPの諸先生方、関係の皆様に、心より感謝申し上げます。 学術大会の詳細は「開催概要」に示させていただきましたが、新たな知・産業・文化を創造し、優れた自然環境と共生を目指し、 公・民・学が連携したまちづくりを掲げる柏の葉キャンパスで開催させていただきます。
また、これまで我が国の放射線医学の発展にご尽力してまいりました多くの関係企業の皆様に、心より感謝申し上げます。 第130回の学術大会開催のテーマは『原点回帰』といたしました。 学会の主体を担っている放射線治療分野では、1970年代から始まった粒子線治療、1990年代からの強度変調放射線治療(本邦では2000年から)、 それに付随する画像誘導技術や呼吸同期/管理法の開発、リニアック以外の様々な照射装置の開発などが進み、 またこれらの検証に必要な解析手法、測定機器、解析ソフトなどが急ピッチ整備され全体としては一定のレベルに達したと思われます。 しかし、その流れを鈍化させてはいけません。
テーマを『原点回帰』とした背景には、まずこの放射線治療分野の今後の発展を考えてのことです。 現在のがん医療の多様化、個別化の中で今の高精度放射線治療の更なる進化が求められています。 そこで、これまでの高精度化に至る様々な取り組みをリレー形式の教育講演で振り返り、多様/分散化する流れの中から、今後我々が進むべき本流を再構築し、 放射線医学発展の根底に医学物理学があることを再認識していきたいと思っております。 医学物理士の育成もこの高精度放射線治療の発展とリンクして進められてきました。 ただ地域格差があるなど、問題点も多く、今回の学術大会でその課題を地域サミット形式で議論していきたと考えております。
今回の学術大会は、企業ブースを会場内の導線の中央におき、会員と企業様とのスムーズな情報交流ができるようにいたしました。 これまでも、本邦の放射線医学発展に多大なるご尽力をいただきました関連企業の皆様とより深い交流を行い、是非『原点回帰』に沿った新たな発展が生まれますことを願っております。
本学術大会にご参加いただく皆様にとって実りある3日間となることを祈念し、本大会開催に向けて尽力いただいた皆様に感謝申し上げ、 大会長の挨拶とさせていただきます。多数のご参加を心よりお待ちしております。

謹白



2024年12月吉日
第130回日本医学物理学会学術大会
大会長 成田 雄一郎
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