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第60回日本理学療法学術研修大会
大会長 斉藤 秀之
(日本理学療法士協会)
2025年は日本理学療法士協会にとって節目の年です。翌年の2026年は日本理学療法士協会が誕生して60周年となり、2025年は60年目、人間で言うと還暦を迎えます。
その節目にあたり、世界理学療法連盟学会2025を日本に誘致、そして連続して第60回日本理学療法学術研修大会開催を実現することができました。
近年、我が国の科学技術やイノベーションが、世界と伍していくためには、「あらゆる分野の知見を総合的に活用して社会の諸課題への的確な対応を図る」ことが不可欠と言われています。
その手段として「総合知」を活用するという考え方が内閣府から提唱されています。「総合知」とは、多様な「知」が集い、新たな価値を創出する「知の活力」を生むことです。
多様な「知」が集うとは、属する組織の「矩」を超え、専門領域の枠にとらわれない多様な「知」が集うという事です。そして、新たな価値を創出するとは、安全・安心の確保とwell-beingの最大化に向けた未来像を描き、科学技術・イノベーションの成果の社会実装に向けた具体的な手段も見出し、社会の変革ももたらすことになります。
今回、世界理学療法連盟の歴史上、学会とホスト国の研修イベントを同期して行うことは初のことになります。これはまさしく、世界と日本が伍して、互いの「総合知」を活用し、諸課題の解決により実現したと言っても過言ではないと思います。
さらに本大会では、多様な「知」の1つである「理学療法士による臨床技能」を高めることにより「総合知」を推進することに挑む企画に取り組みます。山積している地域共生社会や地域包括ケアシステムの深化・推進に係る諸課題など自らを取り巻く社会的課題はもとより、社会全体の諸課題に理学療法の様々な「知」が集うことで新たな価値が創出され、社会変革の旗手となる理学療法士の誕生が待たれます。
そのため、従来の学術研修大会の企画に加え、日本理学療法士協会の「実践知」、日本理学療法学会連合・15法人学会・5研究会の「専門知」、他専門職域の「経験知」や様々な世代の「創造知」が集う「場」と「課題設定」「人材育成」の社会実装をこの学術研修大会で試みたいと思います。
最後に、参加された方々が、理学療法の持続可能性や一人ひとりの多様な幸せを真正面から向き合う端緒となり、明日から多様性と包摂を表現できる大会にしたいと考えております。多くの会員の皆様のご参加をお願い申し上げます。